世界最大級の努力

「資産運用会社として多くの人たちともっとコミュニケーションを取り、単にお金をためるだけでは十分ではないということを伝えて行きたい。」 
「まずは貯蓄者から運用者になってほしい。そのための努力が運用会社にも必要だ。もちろん、じっくりと会社を支える長期投資家にだ。」
こんにちは、渋澤健です。日曜日の日経ヴェリタスのページをめくっていたときに、世界最大の運用会社の社長のインタビュー記事に目が止まりました。

コモンズ投信の設立理念である、「対話」と同じことを考えておられるのだと感じました。

我々は、まだ世界最大級の運用会社ではありませんが(笑)、考えていることは世界最大級であるという時代の追い風を感じることができて心強かったです。企業と一般個人の間の対話を促すことの努力を続けることがコモンズのミッションです。
未来が不安だから現金を抱え込む日本人が少なくありません。

ただ、政府が異次元な金融緩和を行っているということは、国民の大事な現金の価値を意図的に著しく下げる政策です。物価インフレは数字でなかなか現れませんが、国境を越えれば、数年前に80円で1ドルを買えたのに、現在では120円以上が必要になります。円の価値が50%ぐらい下落したということになります。
未来の不安解消に現金だけに託すということは、逆にリスク(不確実性)を高めていると思います。

「一発儲ける」のために「株をやる」のではなく、現金のリスク(危険という意味ではなく、不確実性)を分散するための株式投資というマインドセットも大事です。
日本人の文化は投資には合わないという声も聞こえてきます。1875年に郵便貯金が始まったときに同じようなことが言われていました。

「日本人にはお金を貯金する習慣がない」と。

だから、日本人が文化的に株式投資に向いていないなんてありえないことだと思います。ただ、今まで、普通の生活習慣にコツコツ積み立てるような株式投資を実施してこなかっただけです。
現在のシニア層は、高度成長の恩恵を受けているので、現預金の蓄えや年金制度からの受益も期待できます。でも、現在の現役はどうでしょう。意識を持って、未来のために積み立てる長期投資に取り組む日本人と、何もしない日本人の差は、30年後には大きく差が開いていることになるのは確実です。
ただ、長期投資が良い訳ではなく、何に投資することが大事です。やはり、 持続的成長を期待できる企業の株式は優良な選択肢になると思います。
そのような企業と「対話」を通じて、一般個人が長期的な価値創造に納得感を持つ。これが、これからの投資では不可欠であり、コモンズは今後も努力を続けます。