世界初へのこだわりと、ヒトづくりへの想い-株式会社デンソーを迎えて

売上4兆5千億、従業員数15万人。36の国と地域で活動。

日本を代表する自動車部品メーカー、デンソー

5月22日(日)、名古屋で開催しました「コモンズ30ファンド 7周年イベント」において、デンソー様との初めての「対話」の場が実現しました。

地元企業と言うこともあり、お客様の期待はとても高いものでした。
プレゼンテーマは
「デンソーの企業文化」

常務の伊藤様自ら、プレゼンに立たれます。



冒頭、『日頃のプレゼンでは目先の業績や「表に見えるデンソー」について話をする機会は多いのだが、「目に見えない企業価値をいかに理解していただけるか、そうした対話ができないかなあと思っていた矢先にこうしたプレゼンの場を用意していただいた」』という趣旨のお話がありました。

素直に嬉しいですね。

そして、プレゼンは本題の企業文化を理解する前提として、主要な製品やデンソーの歴史についてからスタートしました。

日本電装としてトヨタから独立する際には、豊田喜一郎さんに「トヨタの分工場のままではお互い甘えてしまう。日本の自動車業界全体に貢献するという高い志を持って欲しい」という激励を受け、トヨタ電装ではなく、日本電装という社名になった、という逸話が紹介されました。

一方、トヨタから独立する時点で、同社は大きな累積赤字を抱えていたという事実も。
ですから「トヨタの名前を冠にするのはまかりならん」というのも、社名にトヨタがつかなかった理由、という裏話もあるそうです。

その後、生き残りをかけ、様々な分野にチャレンジを広げ、電気自動車や洗濯機、近年では携帯電話も手がける中で、技術力を高め続けてきたという紹介がありました。

また、その歴史の中で画期的だったのが、1953年、世界的な自動車部品メーカーボッシュとの提携です。世界一の部品メーカーと提携するのは、ただ技術を真似するためではなく、ボッシュの高い技術を中に取り入れ、さらにサービスも含めて学ぶためである、という意図がありました。

さらには、設立から10年目には、品質管理の強化や徹底を図るために、総合品質管理に功績があった会社や団体に贈られる「デミング賞」にチャレンジすることを宣言します。

そして宣言どおり、デミング賞を受賞するまでに組織力を高めていきます。

前述のボッシュとの提携は2012年に終了することとなりますが、デンソーにとって学ぶべき相手だったボッシュが、むしろ今では、デンソーがボッシュに技術を提供するまでに技術力を高めたという背景があるそうです。

そして、過去の歴史からデンソーの社員が日々の仕事の中で大切にすべき姿勢を「デンソー基本理念」として2004年にまとめます。

こうして世界的部品メーカーに成長したデンソーですが、今強みと言えるところが
「技術、モノづくり、ヒトづくり」だそうです。

世界一より、世界初にこだわる、それを支える基礎研究に大きな力を注いでいます。

また、高い生産技術や、品質保証、世にはないモノを作る材料技術に定評があります。

そして、強みの中でももっとも力を入れているのが「ヒトづくり」だそうです。技術と生産を支える
”人材育成”においては、国際技能五輪にチャレンジし、複数の金メダルを獲得するなどの実績を出しています。

最後に、長期的な取り組みとして、安心・安全、社会環境への貢献といった点についてもお話くださいました。

限られた20分というプレゼン時間の中で、デンソーの成り立ちから歴史、そしてその歴史を踏まえた発展の中で育まれた企業価値や理念、スピリッツをわかりやすくお話いただきました。


さて、いよいよパネルディスカッションです。



冒頭渋澤からは、世界初にこだわり、様々な分野へのチャレンジをする一方、撤退するときにはどういった点からその判断をするのか、という質問がありました。

伊藤様からは、例えば携帯電話を例に取れば、「いい技術」があっても他メーカーとの競争の中で、技術ではなく「売り方」や「サービス」の競争になっていくという側面があり、そこから降りるという判断をいち早く行った、との事です。ただ、このときに培った通信技術が今では車の通信技術に活かされているとのことです。

また、もっとも力を入れている「ヒトづくり」で、例えば新入社員への教育などはどうやっているのですか、という点も渋澤から質問がありました。

これには、紙(に書いてあるもの)で伝えるというよりも、日々の業務の中で、これはこういうことだよ、という”精神”をOJTで伝える仕組みを大事にしている、ということでした。

ただ、2004年にデンソースピリッツを策定した際には、役員が一つ一つ拠点を回り、その意義や意味を布教活動のように社員に伝えまわったとの事です。
それが今では各拠点で根付くことにより、新しい社員にはOJTで伝承されているとの事です。

そして、運用部長の糸島からは、コモンズ30ファンドにデンソーを組入れさせていただくに至った経緯やその心とは、という話がありました。

これから電気自動車や燃料電池車など、車の未来が大きく変わろうとしている中でも、必ず必要とされる会社が「デンソー」であろう、という判断です。

30年目線で社会の未来を見据えた中でも、必ずその中にあって企業価値を高め続けていくという期待が高い会社であるということです。

この後、会場からの質問に移っていきました。
地元企業ということもあり、参加のお仲間からは高い期待を寄せられている会社であることを改めて実感しました。
またご質問の中に、車の未来に関するものがありましたが、そうした点について伊藤さまが真摯にお答えくださっている姿が大変印象的でした。

この日の企業との対話を通じ、改めて「デンソー」の魅力に触れることができましたし、歴史や企業文化に知ることで、こうした会社をしっかり応援することが、結果としてお仲間や私たちコモンズ投信のリターンにつながるのだ、ということを実感しました。
そしてその”リターン”とは、単なる経済的なリターンではなく、一緒に社会を作る、未来を作る、という社会的価値も備えています。

この日、イベント終了後の懇親会にも、伊藤様はじめ、経理部長の新屋敷様、経理部企画室長の大岩様もご参加くださいました。

より和やかな雰囲気の中、どうしてデンソーに入ったんですか?といった質問にもお答えいただき、終始笑顔の絶えない会となりました。




この日のイベントのために、ご登壇いただいた伊藤様のみらならず、多くのデンソーの社員の方にもご協力を頂きました。
本当に嬉しく、こうした機会を作ることができたことにとても感謝しております。

お仲間の皆さまからも温かい言葉をたくさん頂戴し、私たちコモンズ投信の社員がたくさんの元気と笑顔をいただきました。

本当にありがとうございました。

コモンズ投信がますます皆さまの共有地でいられるよう、これからも頑張ります!