金融庁の行政方針~共通価値の創造

おはようございます。渋澤健です。 今朝は気持ちよく晴れている各地が多いですね! ただ、週末に私がいたところは雨模様でした。。。


海外じゃないですよw! 佐世保のハウステンボスです。ここで草食投資隊のセミナーを土曜日に開催し、日曜日は福岡セミナー、そして、今日は久留米大学で講義の予定です。

移動時間が多いですが、読む時間も与えてくれます。土曜日の早朝、長崎行きの飛行機の中で、ちょっと感動した読み物がありました。なんと、それは平成28年度金融行政方針でしたw!

21日(金)に金融庁のサイトに掲載されたばかりですが、この一年間、金融庁の行政方針の「見える化」を図る文章です。そのため、色々な方針が示されている書物ですが、そのトップ項目が目を引きました。「金融当局・金融行政運営の変革」。つまり、金融庁自己変革の宣言です。

そこには、「形式から実質へ」という方針が示してありました。

「規制の形式的な遵守(ミニマム・スタンダード)のチェックより、実質的に良質な金融サービスの提供(ベスト・プラクティス)に重点を置いたモニタリングが重要ではないか。」

これは、とても良い傾向だと思います。失敗を罰するのでなく、最善なチャレンジを評価するということですから。

また、びっくりした箇所がココです。

「金融庁職員一人ひとりが、省益ではなく真の国益を絶えず追求し、困難な課題にも主体的(プロアクティブ)に取り組んでいくことが必要である。」

国のお役所が自ら、(いままでの霞が関の常識であった)「省益」ではなく、(本来の国家公務員のあるべき姿である)「真の国益を絶えず追及」と明言しているのです。今まで、お役所の文書で見たことないコミットメントです。

そのため、「人事評価において、「国益」のためにチャレンジし改革する職員が適切に評価されるよう、職員の評価基準を変更する」と公言しています。これは、やる気がある現場の役人にとって、良い追い風になるはずです。

某お役所の幹部との雑談で聞いたことあります。「日本中からこれほど優秀な人材が入る組織が、なぜこんな政策しか出せないかと思うときがあります」と。

彼は、こう言いました。「それは、みんな自分の組織における立場、次のポストのことを考えてしまうからです」と。これが、現実。

その体制に、これから新しい風を吹き込むことは勇気が必要です。しかし、行政方針として公言されている以上、良い追い風が吹いていると期待したいたいですね。

そして、金融庁の行政運営の自己変革と共にトップ項目として挙げられていたのが、「活力ある資本市場と安定的な資産形成の実現に向けて」における【家計に対する取組み】でした。

「少額からの長期・積立・分散投資の促進」
「投資初心者を主な対象とした実践的な投資教育の促進と情報提供」

「長期」「積立」はコモンズ投信の設立理念そのものです! また、コモンズ30ファンドは「厳選投資」ですが、積み立て投資は「時間軸の分散」、そして、世界で活躍する優良企業に投資することは、日本国内に限定される成長からの分散投資です。

また、今まで投資と縁がなかった、しかしながら、自分の将来の老後生活のために持続的な経済成長の恩恵を被る蓄えることが不可欠な現役世代へ長期投資の考え方、実践を届けることを念頭に様々なセミナーや情報提供にコモンズ投信は設立来から努めています。

NISAの現状の課題にも金融庁は理解されていて、少額ながらも、有効期間を現状から延長する「積立NISA」について地ならしていることは心強いです。

そして、良い意味でびっくりしたキーワードが今回の行政方針に含まれていました。「共通価値の創造」。

金融庁によると、これは

金融機関が
・顧客本位の良質なサービスを提供し、
・企業の生産性向上や国民の資産形成を助け、
・ 結果として、金融機関自身も安定した顧客基盤と収益を確保する
という好循環(顧客との「共通価値の創造」)を目指すことが望まれる

ことです。

これって、コモンズ投信の社名の起源である「コモン・グラウンド」(共有地)とシンクロしているイメージです。「今日よりも、よい明日」のために長期投資を託してくれる「お仲間」たち、我々のために持続的な価値創造に努めてくださる投資先の企業、そして、私たちコモンズ投信のWIN-WIN-WINの関係です。

また、先週のブログで示した、「本来の資本主義の姿」とは共感・共助・共創であるという持論ともシンクロしています。

色んなところで、シンクロニシティを感じる。
それは、時代変化の潮流の兆しです!