「キラキラ投資家」であれば、夜はぐっすり寝られます

こんにちは、渋澤です。まるで急激なゲリラ豪雨に襲われ、日差しが少々戻ってきながら雲の動きが気になる。そんな株式市場の展開ですね。このような激しい相場環境で動揺した投資家が世の中では多かったでしょう。でも、「キラキラ長期投資家」のような心構えを持っていれば安静な気持ちで過ごすことができたと思います。

この「キラキラ長期投資家」とはどのような存在か。

長年お付き合いいただいている河口真理子さんが新刊の『ソーシャルファイナンスの教科書』で紹介しています。

・「彼らの投資目的は、自分の資産自体、運用だけでなく、社会にもよい影響を与えることです。」

・「キラキラ長期投資家に求められるのは、長期的に将来性のある企業を評価して選ぶ能力です。なおこの将来性というのは「業績の将来性」と、先ほどから強調している「社会的価値の将来性」の二つの将来性を意味します。」

「キラキラ長期投資家」とは、リーマンショック最中に産声を上げたコモンズ投信がずっと言い続けてこととほぼ同じことを大切にしているようです。企業の「見える価値」と「見えない価値」の判断によって、「世代を超える長期投資」が可能になる。日頃、自分の考えや活動とかなりシンクロしていて、セレンディピティを感じます。

「ここから浮かび上がるのは、今の経済の尺度にはない、時代を経ないとわからない価値存在です。それは、目先の利益という目に見える価値につながらないため、経済や金融を司る人たちには、認識されていない価値なのです」と河口さんがご指摘されるのは、まさに「見えない価値」です。

この「見えない価値」にしっかりと、じっくりと長期投資して「見える化」に真摯に取り組むことが、コモンズ30ファンドを運用するスチュワードシップの要です。

また、真の長期投資の素晴らしさとは「つながり」をつくるものだと肌で感じていますが、河口さんも同じようなことをおしゃっています。

「『世の中には、素敵なことがたくさんあって、そんな中で頑張っている人たちを手伝いたい、一緒に仕事をしたい。しかし、自分ができることは限られている。投資とは自分がそこに出かけて働く代わりに、自分のお金に働いてもらい、しっかりお客さんに喜んでもらって社会に役立って、しっかり稼いでもらおう』という人にとっては、ごく自然なお金の使い方であり、投資法なのです。」

河口さんや私がお勧めする長期投資が絶対に正しい投資法とは言えません。世の中には色々な投資スタイルがあります。でも、「キラキラ長期投資家」は、株価が乱高下しようと、あんまり気にならないことは確かです。目先の株価の動きではなく、目指しているのは自分と次世代の「今日よりも、よい明日」のためという未来志向の価値創造ですから。

よい投資とは、夜にぐっすりと眠れることです。先週、夜の寝つきが悪かったという声も色々と聞こえてきましたが、私はぐっすりと寝ていました。

「社会的価値の将来性」は長期投資家であれば必須の良書です。また、今まで投資に関心がなかった方々でも、ぜひ、手に取って冒頭の数ページの「はじめに お金とつきあい方は「清貧」から「清富へ」」だけでも読んでほしいです!