教えて!未来予想図〜ここが日本だ、ここで跳べ!〜
今日は2020年3月次レポートの掲載コラム「未来予想図」を「シン・ニホン〜ここが日本だ、ここで跳べ〜」というテーマで綴った背景について運用部アナリストの原嶋さんに聞きました!
解説 運用部アナリスト 原嶋 亮介
聞き手 マーケティング部 横山 玲子
横山 今回の未来予想図は本の紹介からでしたね。
原嶋 未来予想図のテーマにしていいかわからなかったんですが、最近読んだ「シン・ニホン(著者:安宅和人)」の紹介にしました。この本は新型コロナの流行が発生する前に書かれて、2月に出版された本なんですが、ウィズコロナ時代の都市のあり方を示唆しているのも興味深いです。その後、この著者安宅和人さんと落合陽一さんの対談の動画がNewsPicksにあって、それを見て、コモンズのメッセージと一緒だなと思ったので、是非とも紹介したいと思いました。
そして個人的に、本の中にもあった「ここが日本だ、ここで跳べ」っていう言葉が言いたくて書きました。
※「ここが日本(ロドス)だ、ここで跳べ」って何?って人はこちら
横山 言えてよかったですね、笑
原嶋 ありがとうございます。色んなセミナーでお客さんからよく「海外の株式に投資しないんですか?」という質問をいただくんですが、僕の答えは、これ「ここがロドスだ、ここで跳べ」に他ならないんです。そもそも、日本株、日本経済、日本企業への悲観論が強すぎると思っていて。自分たちは日本で生まれ、おそらくこれからも日本で生活していく、こどもや孫もおそらく日本で生まれ育つ。そのときにグローバルに活躍できる日本の会社がないと、彼らが就職したいと思う会社もなくなってしまう。それではいけないと思うんです。
横山 わかります。そして、本当にその質問(コモンズは日本株にしか投資しないんですか?)はよくいただきますよね。
原嶋 日本の投資家が、成長性のある日本企業に投資をして、しっかり育てていく。お金の循環を生み出す。そういうことが絶対必要だと思うんです。
そして、コモンズにお金を預けている人たちにはこういう考え方に共感するところがあるんじゃないかと思っていて。
外出自粛で家で本を読む時間あるだろうし、この本や対談はコモンズのメッセージと共通する部分が多分にあるので是非紹介したかったんです。
横山 私もこの動画見ました。本は読み途中なのですが、目次を眺めただけでも論点が豊富で、自分がいかに普段思考停止に陥っているか気付かされました。
原嶋 自分たちが運用している商品がアクティブファンドだからそう言えるのであって、インデックスだったら、「そうは言ってるけど、選んでないじゃん!」ってなりますよね。
未来の社会に必要な企業をしっかり見極め、育てる。育てるというと上からっぽく聞こえますが、一緒に育っていくというか、そういうメッセージを込めました。
横山 それでも食い下がってくる人もいますよね。。。
原嶋 いますね。そういう人は、正直、そちら(別の商品)を買ってください、と思ってしまいます。やっぱりここの価値観を共有できないと長く資産作りという共同作業を二人三脚で続けること難しいですよね。自分たちが死んだ後の日本なんて知らない、という人には、ごめんなさい、僕からは言うことはないです。
横山 逆に共感してくれる人もすごく多いですよね!「すっきりした」と言われたり。
原嶋 リターンを犠牲にするということではないんですけど、私たちの視点が長期投資だからこそ、お客様にも長続きする投資を目指してもらいたい。「長続き投資」の秘訣の1番目はもちろん安定的な高いリターン(を目指していること。)でも、どんなに優秀なファンドマネージャーが運用していても10年上がり続けることはないです。2番目の理由が『共感』なんだと思うんです。投資している理由がわかるとか、いつも誠実に状況をよく説明していることによってその共感が生まれる。説明しないと伝わらないですから。リターンを相対比較してその結果に満足するのと、精神的に連帯感や充足感を感じて自分が満足できるかということはまた別だと思うんです。共感は、ファンドだけでなく日本全体が元気がないとき、リターンが出ないとき、心のよりどころになるものだと思います。
横山 結局、長続きしないと儲からない(ことが多い)、ですしね。そして、そのための前提として投資先企業にも長続きしてもらわなければならない、と。
原嶋 例えば、旭化成のリチウムイオン電池について言えば、ノーベル賞をとるほどの技術力がありながらも電池そのもののビジネスをしていないのは勿体ないのではないか、という見方もできます。しかし、中国・韓国のような国をあげて、しかもすごい速さで全面的にバックアップするような資本のゲームには日本のいち企業ではなかなか太刀打ちできないという面があります。
一方で、そうではない別のルールがあるところでは日本の製造業は今も強く戦えているんです。世界中どこでも大量生産したiPhoneのような同じ製品が売れる時代から、「万人受けはしないが、特定のターゲット顧客に深く刺さる製品」が求められる時代になりつつあると思っていて、そうした分野ではカスタマイズ、すり合わせが重要で、そういうことを得意としている日本企業にはチャンスです。これこそ、日本企業の生き残り戦略になるんじゃないかと。先ほどの旭化成にしても、リチウムイオン電池そのものはやっていないけれども、その重要な部材のひとつであるセパレーターを、そこが自分たちの強みを生かせる領域だと判断して取り組んでいるわけです。
横山 原嶋さんのストーリーではそういう企業が今、おすすめなんですね。
でも、どうしてコモンズ投信がそういう会社を発掘して投資できると言えるんですか?
原嶋 私たちは、「社会をよくする、役に立つビジネスに、長期に投資をする」ということが前提にあります。このビジネスが長期的にみて社会をよくするのかという観点で企業をみること。そういう観点で株式市場を見渡してみると浮かび上がってくるものがある。そこを丁寧に調査して対話して可能性を見出す。そういう風にして私たちは優れた企業を発掘できると思っています。
横山 私は短期的なリターンも気になります。
原嶋 短期のパフォーマンスを犠牲にするということではもちろんないのですが、もともとのファンドのコンセプトがここ「ここが日本だ、ここで跳べ!」に象徴されるものだと思うので、個人的には、企業を見るとき短期的な業績はほとんど気にしていません。少なくとも自分はネガティブスクリーニング(特定の基準に満たない企業を投資対象から外すこと)をかけていて、コンセプトに合わない企業をファンドマネージャーに推奨することはありません。
でも株式市場というのは今でも単純に短期のパフォーマンスをとりにいく力が大きく影響しているところです。一般的な機関投資家の考えではそれを取りに行くことになる。そういう意味ではコモンズの運用はまだユニークだと思います。
横山 原嶋さん、かっこいいですね!
原嶋 自分の投資が日本の企業や日本経済を支えるんだという意識も持ってもらったらいいなと思っています!
横山 今日はありがとうございました!
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本稿でも出てきているNewsPicksは、ザ・2020ビジョンの投資先でもあるユーザベースが展開する経済メディア。渋澤さん、伊井さんが気になるニュースをピックしてコメントしています。最近、原嶋も投資先企業に関連したものを中心に気になるニュースをピックするようにしていますので、興味がある方は見て頂ければと思います!
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※文中に記載の内容は特定銘柄の売買などの推奨、または価格などの上昇や下落を示唆するものではありません。