未来予想図 7:いよいよ日本の機関投資家も本気で「モノを言う株主」に!?

未来予想図
7:いよいよ日本の機関投資家も本気で「モノを言う株主」に!?
2017-06-06-TUE

金融庁は5月29日、スチュワードシップ・コード(以下、同コード)の改訂最終案を発表しました。いよいよ日本の機関投資家も欧米のように本気で「モノを言う株主」になるかもしれません。

今回の改訂ポイントは以下の4つです。
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①運用機関は利益相反を回避するための具体的な方針を策定し、公表することが求められる。利益相反防止のため、独立した取締役会や議決権行使の意思決定や監督のための第三者委員会などのガバナンス体制を整備すべき。

②機関投資家による投資先企業との対話は単独で行うほか、他の期間投資家と協働して行う集団的エンゲージメントが有益な場合もあり得る。

③機関投資家は議決権の行使結果を個別の投資先企業及び議案ごとに公表すべきである。

④機関投資家の経営陣はスチュワードシップ責任を果たすための適切な能力・経験を備えているべきであり、系列の金融グループ内部の論理などに基づいて構成されるべきではない。
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同コードを受け入れた機関投資家は、本年11月末までに改訂内容に対応した更新が求められます。既に、野村アセットマネジメントや大和投信、大手3信託銀行(みずほ、三菱UFJ、三井住友)、生保では第一生命や住友生命などが、議決権の個別開示などに賛同した一方、仏系アムンディ・ジャパンは個別開示を見送る方針で、米系ブラックロック・ジャパンと英系フィデリティ投信は検討中となっています。

今回の改訂で同コードに『魂』が込められることで、まだまだ利益を上げるための努力に余力があると思われる企業に対して、相当数の機関投資家がその経営に『NO』を突きつけるため、こうした企業ほど経営に変化が芽生えて稼ぐことのできる企業へと変貌する可能性が高まっています。

「ザ・2020ビジョン」は、まさにこの変化に着目して投資先企業を50銘柄に厳選投資しているため、日本の機関投資家が「モノ言う株主」になればなるほど、当ファンドのパフォーマンスにおいては追い風となり得ます。この追い風はまだ始まったばかり、引き続きこの千載一遇のチャンスをパフォーマンスに活かしていきたいと思っています。


シニアアナリスト兼ポートフォリオマネジャー
鎌田 聡