新しい英国の始まりコモンズ30ファンド



コモンズ投信 伊井です。
英国の国民投票において、英国のEUからの離脱派が過半数を上回りました。




先週のメルマガでは、緊急に「英国のEU離脱、要警戒に入った市場」をコメントしました。

特に、国民投票の結果で、大差か僅差で市場に与える影響も違うことをそれぞれのケースでコメントしました。今日は、国民投票の結果を受けて為替は1ドル100円割れ、日経平均株価も1,000円を超える下げとなり終値で15,000円を割り込みました。

さて、金融市場は荒い値動きになっていますが、まずは、英国と日本の実体経済における関係をみてみます。

英国と日本の貿易は昨年のデータを見ると輸出、輸入ともに日本の貿易全体に占める英国のシェアはおおよそ1%台です。
輸出では輸送用の機器が、輸入では一般機器、医薬品が比率では高めですが、それでも全体の貿易に与える影響は軽微です。
直接投資の金額も大きくはありません。
また、英国に進出している日本の企業数は昨年の数字で931社(出所:外務省)です。

こうした状況を考えると、今回の国民投票を受けた我が国経済に対する影響は、短期的には為替や株式市場を通じた金融面が中心となります。

この点でのリスクシナリオは、中期的に英国の信用力が低下した場合のアジアにおける英国及び欧州金融機関の資産圧縮の動きとなります。

今回の英国離脱による金融ショックは、そもそも金融危機からのショックではなく、政治的な要因が金融面に影響を及ぼしていますので、これまでのリーマンショック、ギリシャショックなどの金融危機とは違います(つまり処方箋も違ってきます)。
その意味で、誰にも本当の影響は分かりませんが、金融市場は引き続き、不確実性を回避する状況が続くものと思われます。

今後、停滞するEUに見切りをつけ、スコットランドなども英国を離脱し、身軽になる英国が新しい国づくりに入れるのかどうか、そのことが遠心力のはたらく欧州にどう影響していくのか、時間をかけてみていくことになると考えています。

当社の対応については先週もお伝えしましたが、コモンズ30ファンドもザ・2020ビジョンも平時よりも現金比率を少し高めて臨んでいます。

それでも勿論、足元の株式市場の下落の影響は出ていますが、長期投資家である私たちは慎重なる楽観で、優良銘柄を割安な局面でしっかりと買っていきたいと考えています。

7月は運用報告も含め通常よりも回数を増やしてセミナーを行います。

現在の市場に対する見方や、当社の対応についてもしっかりとご説明いたします。是非、セミナーにもお越しください。引き続き、よろしくお願いいたします。

なお、受益者の皆さま向けに特別レポートを発行しております。
こちらも併せてご確認ください。




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