英国のEU離脱、要警戒に入った市場

コモンズ投信 伊井です。

今日は「コモンズ30ファンドを考える(中編)」の予定でしたが、金融市場が大荒れになっていますので、その原因でもある英国のEU離脱問題と当社の対応について簡単にコメントいたします。

今朝も残留支持派の女性議員が銃撃で死亡したことが伝わるなど、英国内でも混乱が続いているようです。

さて、日本にいると英国の離脱派に勢いあると言われてもピンと来ませんが、離脱派の主張には、「ノルウェーやスイスのように自国の判断だけで貿易協定を結んだ方が英国にはメリットが大きい」、「通貨もユーロでなく単独のポンドで良かったじゃないか」などがあり、地方に住む中間層の支持が集まっていると言われます。

一方で、政府や他の国々は、「離脱したら経済的にも政治的も打撃が大きく、ポンドも不動産もさらに急落し、失業者も増える」と警告をならしています。

英国では世論調査があてにならず、ブックメーカーのオッズでは、残留派の方が優位です。

それでも結果予想が難しいので、株式市場などのリスク資産から安全資産である債券市場に資金が移動し、為替市場でも、ポンドやユーロから円に資金が移動し円高になっています。

今週に入りこうした流れは加速しています。

①   残留派が大差で勝てば、移動した資金は急速に巻き戻るので各市場は大きく反発する
ことでしょう。

しかし、

②僅差で残留派が勝った場合は、政府は世論の離脱派の声を考慮するかたちでEUに対してこれまで以上に厳しい対応をせざるを得ないですから、欧州に対する懸念も膨らみます。もちろん、離脱機運が再燃するリスクも残ります。
今週の各金融市場はこのケースを織り込みにいった印象です。

逆に

③僅差で離脱派が勝利した場合も、離脱の手続・準備に2年程度は要するといわれ、この場合もやはり政治も経済も不安定になります。

最後に、ないとは思いますが

④離脱派が大勝した場合は、世界的に大きな混乱が予想されます。

このようにスケジュールも反動も予想されている中、金融市場では短期的なショックは起こっても大きなショックにならないことが多く、今回もすでに各国中央銀行などが緊密に連絡を取り合っているそうです。
  
さて、当社の対応はどうなのかといいますと、

コモンズ30ファンドザ・2020ビジョンも平時よりも現金比率を少し高めて臨んでいます。

それでも勿論、足元の株式市場の下落の影響は出ていますが、今朝の日経新聞に海外の著名な長期投資家のコメントとして「不安定な相場は我々の『友人』みたいなもの。優良銘柄を割安に買う好機だ」と出ていました。

私たちも同様な思いです。
しっかりと対応して参りますので、どうぞ、引き続き、よろしくお願いいたします。

明日、コモンズオフィスで行うファンド説明会などでも、現在の市場に対する見方や、当社の対応についてもしっかりとご説明いたします。是非、セミナーにもお越しください。

市場が落ち着きましたら、コモンズ30ファンドを考えるシリーズを再開いたします。